生きている日本史ー完結編

高木健夫の渾身の作、大学初任給一万円の頃に290円の作品(今の6,000円位か?)が20万部出たんだから、とんでもないベストセラーだと思います。
最初に朝日の荒垣さんのところに話が行ったのを、彼が断り、読売の高木を推薦したのがことの始まりらしい。いい時代だよなあ。
でも、この作品を通して諸々な人たちとの知見が拡がりその後の人生の深みが増したんだろうと想うと感慨深い。仕事を通じて人生が深まるって理想的だと思います。我が一族の誇りであり、僕自身も生涯背中を追いかけるつもり。(背中は見えるのだろうか?)

この三部作の第一作で一番腹に落ちたのが、原始的武士道。後年になって創作された感のある武士道ではなく、人間味溢れる日和見主義と期を窺うさとさ、を本質と看破している点。
また、武家政治も安定し出すと女性の力が強まり結果的に混乱を引き起こすこと。(母性による若年将軍支配)
論破に合理性があり、とても腹に落ちる。NHKの大河ドラマもこのくらいの翻案があるととてもいいけど。

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